既に南仏の一部の産地では収穫が始まっているが、フランス農務省は、2024年産ワインの生産量に関して、8月1日段階の予想を発表した。比較的豊作だった2023年のあと、2024年は殆どのワイン産地で生産量が落ちる見通しで、4000万~4300万ヘクトリットルと予想している。これは直近5年間の平均である4422万ヘクトリットルを下回る。下記の図は、2019年~2023年までのフランスワインの生産量と、2024年の予想生産量を比較している。
2024年のフランスは、大部分の地方で、年初から降雨量が多いのが特徴だ。開花時の雨や低温により、coulure(花振るい)や、millerandage(結実不良)が起こっており、ブドウ収量を大きく落とす原因となっている。さらに、多雨によってベト病が蔓延。葉を枯らすだけでなく、ブドウの粒にも被害が出ている。産地によっては春先の霜の被害や、雹の被害も甚大。これらの原因により、2024年のワイン生産量は平年に比べて減少するとしている。一方で、土壌がしっかり水を含んでいるので、今後の収量低下が抑えられる可能性を指摘している。昨年よりも1~2週間程度の植物サイクルの遅れ、収穫日の遅れを予想している。
これらは2024年8月1日付けの予想数値。確定値ではない。2023年フランスワイン生産量予想の際、8月1日の段階で、4400万~4700万ヘクトリットルと予想していたが、最終的には4789万ヘクトリットルと上振れした。
2024年8月12日記
情報ソース、Agreste 2024 Agreste 2023