LVMHがロマネコンティと接するグランクリュ、ロマネサンヴィヴァンのブドウ畑を買収

アロースコルトンとペルナンヴェルジュレスにまたがるコルトンの丘
コルトンの丘

LVMH ルイヴィトンモエヘネシーが、ブルゴーニュ地方、アロースコルトン村にあるドメーヌ ポワゾ ペール エ フィス所有のブドウ畑1.3haを購入した。その中には銘醸ブドウ畑、ロマネサンヴィヴァン、コルトンブレッサンドが含まれる。買収金額は1550万ユーロ(1ユーロ157円で約24億円)。2024年9月17日の地元新聞が伝えている。

ドメーヌ ポワゾ ペール エ フィス Domaine Poisot Père et Fils は、フランス、ブルゴーニュ地方、コートドボーヌ、アロース コルトン村にあるドメーヌ。所有畑は約2haと小さいが、2010年にレミ・ポワゾがドメーヌ継承してから、精力的な運営が行われていた。ドメーヌのHPによると、ここのブドウ畑は下記の5つ。

ロマネ サン ヴィヴァン 0.49ha
コルトン ブレッサンド 0.43ha
コルトン シャルルマーニュ 0.57ha
ペルナン ヴェルジュレス プルミエクリュ アンカラドゥー ルージュ 0.36ha
ペルナン ヴェルジュレス ブラン 0.20ha

ポワゾ家はボーヌの有名なネゴシアン、ルイ ラトゥール家の遠戚で、ロマネサンヴィヴァンやコルトンブレッサンドは、ルイ ラトゥール家から来たものだ。

ロマネ サン ヴィヴァン 0.49haとコルトン ブレッサンド 0.43ha、ペルナンヴェルジュレスのブドウ畑を含めた計1.3haの土地所有者が、ポワゾ家からLVMH ルイヴィトンモエヘネシーに移る。土地所有者は変わるが、これらのワイン生産は引き続きドメーヌ ポワゾ ペール エ フィスが行うので、表面的には何も変わらない。フランスは土地所有権とその土地の耕作権が別に設定される場合がある。日本と異なるので注意が必要だ。

ポワゾ家は代々引き継いだブドウ畑を維持したかったが、多額の相続税を支払うことが出来ず、苦渋の決断となったが、今回の土地売却で当面の間ワイナリー経営を維持できる。地元の反発を避けるため、LVMH傘下のドメーヌ クロ デ ランブレイのジャック ドヴォージュは、「LVMHは家族経営であり、家族経営ワイナリーの相続問題を認識している。今回は政府機関が定めた価格で土地を購入した。ワイン生産を継続したいポワゾ家の意向を尊重した土地買収だ。」とコメントしている。

買収された畑の中に、特級畑 ロマネサンヴィヴァンがある。ポワゾ家のロマネ サン ヴィヴァンのパーセルは、ロマネコンティと接している。ロマネコンティ、ラ グランリュ(ラマルシュ家)、他のロマネサンヴィヴァン(アルヌーラショー、カティアール、デュジャック、ダルロ)に囲まれた絶好の場にある。

今回の新聞記事では、「いつまでポワゾ家が耕作可能か?」は明かされていない。現在ワインを生産しているレミ ポワゾが引退する頃までなのか、或いはもっと先かもしれないが、いずれ土地所有者となったLVMH ルイヴィトンモエヘネシーに土地の耕作権が移る。そうなれば、LVMH傘下のドメーヌ・クロデランブレイがロマネサンヴィヴァンやコルトンブレッサンドを生産する可能性が高い

ブルゴーニュでは、ブドウ畑の土地価格が激しく上昇したため、通常のワイナリーの収益では相続税を支払うのが難しくなってきている。ブドウ畑の一部を手放すケースが頻発しそうだ。

引用 bienpublic

2024年9月17日記

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