2024年6月20日、フランス、ブルゴーニュにあるドメーヌ・オスピス ド ボーヌは、AOC ヴェズレイ Vézelayの土地を取得したと発表した。
ヨンヌ県に位置するヴェズレイ Vézelay(ヴェズレー、ベズレーとも表記)は、フランス屈指の観光地。サント マドレーヌ大聖堂とその周辺はユネスコ世界遺産に登録されており、毎年約100万人の観光客が訪れる。このヴェズレイ村とその周辺は少量だがワインを生産しており、近年日本でも見かけるようになっている。2017年、AOCブルゴーニュ・ヴェズレイからAOCヴェズレイに昇格し、村名格のブルゴーニュ・ワインをつくる産地となった。AOCヴェズレイはシャルドネからの白ワインのみ認可されており、ピノノワール等の赤ワインを生産した場合は、シンプルなAOCブルゴーニュとなる。世界のワインファンにとっては、シャブリと同じ県にある、90ha程度の小さなブルゴーニュ・ワイン産地という感じだろう。
今回、タロワゾー Tharoiseau村の0.2242ヘクタールの土地が寄贈されたが、ブドウ畑ではなく、草地の状態。この秋から土壌の準備作業が行われ、シャルドネが植えられる予定。最終的なワインのリリースは随分先のことになりそうだ。
オスピスドボーヌのワインは新樽100%で熟成されるものが多い。正直、ヴェズレイの軽い白ワインには、オスピスドボーヌの方法論は樽が強すぎると思う。最近はWINE GROBEのようなガラス製容器や、アンフォラのような陶器をブルゴーニュでも見かけるので、これまでとは異なった方法論になるかもしれない。
ヴェズレイはフランス屈指の観光地だが、ワインを生産していることを知らないフランス人も多い。オスピスドボーヌのワイン生産を通じて、産地の知名度上昇に繋がるだろう。
Vézelay ヴェズレイのブドウ畑。寒冷産地で日照量を得るため、傾斜面のブドウ畑が多い。
参考文献: France Bleu, DijonBeaune.fr