フランス、ブルゴーニュ地方、コートドニュイ地区のAOCフィサン Fixinが拡張されることになった。新たに南隣のBrochon ブロション村のブドウ畑が組み込まれることになった。その畑のワインはこれまでAOC Côte de Nuits-Villages コートドニュイヴィラージュとして生産・販売されてきたが、今後はAOCフィサンになる。2024年ミレジムから可能。2024年12月17日に公式発表された。
フィサン Fixinとは
AOC Fixin フィサンは、フランス、ブルゴーニュ地方、コートドニュイ地区に位置する。ブドウ畑の大部分がフィサン村にあり、現在約100haがワイン生産に使われている。1936年のAOC制定時から一貫して赤ワインが生産の大半を占めるが、近年白ワインの生産も増えている。北隣のAOCマルサネとは異なり、ロゼワインは認められていない。ブドウ品種は赤ワインはピノノワール。白ワインは通常シャルドネ。現在5つの1級畑プルミエクリュが認められており、そのうち3つは単独所有畑なのが特徴だ。
フィサン拡張
フィサン村の南にBrochon ブロション村がある。地元ではシャトー・ド・ブロションの城と高校のイメージが強い。ブロション村の南側に広がるブドウ畑約50haは、AOCジュブレシャンベルタンとなっている。一方、村の北側に広がるブドウ畑はこれまでAOCコートドニュイヴィラージュ Côte de Nuits-Villagesとして生産・販売されてきた。今回村の北側のAOCコートドニュイヴィラージュのブドウ畑約35haがフィサンに吸収される。現在約100haのAOCフィサンは大きく拡張し、今後その存在感が増すことは確実だ。
これまでマルサネからジュブレシャンベルタンの生産者達は、AOCフィサンとブロションのAOCコートドニュイヴィラージュを別々に生産・販売していることが多かった。2024年ミレジムから両者を混ぜてAOCフィサンとして販売することが可能となる。
写真は、ブロション村頂上部に近い単独所有畑 Clos de la belle Marguerite クロ ド ラ ベル マルグリット。かつて地元のドメーヌ・シリュグやボーヌのシャンソンが生産していたものの、誰も興味を示さなかった。2020年頃からジュブレシャンベルタンの高名なDomaine Fourrier ドメーヌ・フーリエが生産開始。注目を集めるようになった。この畑のワインもコートドニュイヴィラージュとして生産・販売されているが、今後フィサンに名称が変更される。
参考資料 BIEN PUBLIC 2024年12月17日の記事
2024年12月4日記、2024年12月18日加筆